雑記(29)

前回の完全系列の続きなんだけど、 N \longrightarrow M写像を包含写像 (埋め込み写像)  \iota と見ることもできる。

今度は、 M, N R 加群として、以下のような準同型  f,s が存在するとする。

このとき  s \circ f = id_M ならば、 f単射であり、 s全射である。

そうすると、 N = \mathrm{Ker}\, s \oplus \mathrm{Im} \,f であることが証明できる。
(証明)
  \mathrm{Ker}\, s + \mathrm{Im} \,f  \subset N は、明らか。任意の  y \in N について、 z=y-f(s(y)) \in N とすると、

 s(z)\\
=s(y)-s(f(s(y)))\\
= s(y)-s(y) = 0

したがって、 z \in \mathrm{Ker}\,sとなる。 f(s(y)) \in \mathrm{Im}\,f だから、  y \in N \subset \mathrm{Ker}\, s + \mathrm{Im} \,f となり、 N = \mathrm{Ker}\, s + \mathrm{Im} \,f である。

直和であることを示すために、 y \in \mathrm{Ker}\, s \cap \mathrm{Im} \,f とすると、
 s(y)=0 かつ \exists x \in M, f(x) =y であるが、
 x= s(f(x))=s(y)=0 なので、 y = f(0)=0 である。//

このとき、 f を分裂単射 (split monomorphism) であるという。同様にして、  f \circ s = id_N ならば、 f全射であり、 s単射であって、

 M = \mathrm{Ker}\, f \oplus \mathrm{Im} \,s となり、 f を分裂全射 (split epimorphism) という。

今日はここまで。