雑記 (20)

「内部自己同型」という言葉は、 G 自身の要素から得られる自己同型という意味だと思う。前回の記事から、

 i_g: G \to G, x \mapsto gxg^{-1}

であって、これが自己同型であったが、

 i: G \to \mathrm{Aut}(G), g \mapsto i_g

は、「作用」で説明したように、準同型となり、この  i の像  \mathrm{Im}\,i \mathrm{Inn}(G) と書き、「内部自己同型群」と呼ぶ。内部自己同型群は、 \mathrm{Aut}(G) の部分群であることがすぐにわかる。

準同型  i の核  \mathrm{Ker}\, iは、 i_g = id_G であることを考えると、 \forall x \in G, gxg^{-1} = x ということなので、 G の中心  Z(G) と一致する。したがって、準同型定理より、

  G/Z(G) \simeq \mathrm{Inn}(G)

が成立する。また、

 \mathrm{Inn}(G) は、 \mathrm{Aut}(G)正規部分群である。
  \mathrm{Inn}(G) \triangleleft \mathrm{Aut}(G)

なぜなら、 \forall \tau \in \mathrm{Aut}(G) について

 \tau i_g \tau^{-1}(x)\\
= \tau(g\tau^{-1}(x)g^{-1})\\
= \tau(g)\tau(\tau^{-1}(x)g^{-1})\\
= \tau(g)x\tau(g^{-1})\\
= \tau(g)x\tau^{-1}(g)\\
= i_{\tau(g)}(x)
 \therefore i_{\tau(g)} \in \mathrm{Inn}(G)

だからである。