雑記 (3)

テンソルの自分の理解の仕方は、線形写像を含む双線形写像の表現であるというものである。その写像の空間には、反電子の存在を予言した「双対」について信じがたいほどの鋭い感性を持った大天才ポール・エイドリアン・モーリス・ディラック量子力学を記述するために発明した、ブラベクトル、ケットベクトルのように、双対写像が共軛に存在している。 |s\rangle\langle t|テンソルではないのか?「反変」「共変」などの「歴史用語」の解釈で時間を無駄に使うのはやめよう。その解釈をいくら聞いても、ブラベクトル・ケットベクトルの美しさには到底及ばない。とにかく、本質的で学ばないといけないのは、「内積 (正確には間積)」を介して繋がっている「双対」と「双線形」の概念である。

「反変」「共変」の言葉の解釈などどうでもよいと書いたが、双対基底の変換がどうなるかぐらいは書いておこう。

すでに前の記事で、線形空間  V \to V の基底変換の式が

 [e_1^{\prime},\cdots, e_n^{\prime}] =  [e_1,\cdots, e_n]P

で与えられることは示した。

 (e_1^*, \cdots, e_n^*) ^t [e_1^{\prime},\cdots, e_n^{\prime}] =  (e_1^*, \cdots, e_n^*)^t [e_1,\cdots, e_n]P = P

つまり、 E_n単位行列として

 P^{-1}(e_1^*, \cdots, e_n^*) ^t [e_1^{\prime},\cdots, e_n^{\prime}] = E_n

となり、

 ( e_1^{\prime*}, \cdots, e_n^{\prime*}) ^t = P^{-1}(e_1^*, \cdots, e_n^*) ^t

 ( e_1^{\prime*}, \cdots, e_n^{\prime*})  = (e_1^*, \cdots, e_n^*) (P^{-1})^t

もちろん、基底変換が直交変換ならば、逆行列は転置行列となるので、右辺の行列は結局  P となるので「共変」「反変」などの区別などできない。座標系の取り方で、変わるような定義が本質とはとても思えない。

(この稿続く)