雑記(5)

PID 上の有限生成加群 (アーベル群) の構造定理を書くのに、有限生成加群は、有限生成 \mathbb{Z} 加群と同型であるという事実を利用する。

そうすると、PID 上の有限生成加群 M は、次の形と同型である。

 M \simeq \mathbb{Z}/n_1 \mathbb{Z} \oplus  \mathbb{Z}/n_2 \mathbb{Z} \oplus \cdots  \oplus    \mathbb{Z}/n_r  \mathbb{Z}  \oplus  \mathbb{Z}^l

ここで  n_i1 より大きい自然数で 各  n_i n_{i +1} を割り切る。

というものである。

 \bigoplus_{i=1}^{r}  \mathbb{Z}/n_i  \mathbb{Z} M の「捻れ部分」という。「捻れ部分」は中国剰余定理を使って素数位数の巡回群に更に分解できる。

最後の  \mathbb{Z}^l =  \mathbb{Z} \oplus \cdots  \oplus \mathbb{Z} (l 個) を「自由部分」という。自由部分はもちろん有限生成された加群が有限位数ならば存在しない。

例えば位数 8=2^3 の有限アーベル群だったら、次の数字を割り切れるように約数を並べられる組み合わせとしては、

2, 2, 2
2, 4
8

つまり、

\mathbb{Z}/2 \mathbb{Z} \oplus  \mathbb{Z}/ 2 \mathbb{Z} \oplus \mathbb{Z}/2  \mathbb{Z}

\mathbb{Z}/2 \mathbb{Z} \oplus  \mathbb{Z}/ 4 \mathbb{Z}

\mathbb{Z}/8 \mathbb{Z}

となる。この可能な数って整数 3 の分割数である。 p(3) = 3 \,(1+1+1, 1+ 2, 3 という風に辞書式順序に自然数を分割できる総数) だから。 38素数分解したときの 2 の指数である。指数が複数の場合は  \prod p(m_i) である。なんでそうなるのか考えてみると、なるほどそうなる。もっとも整数の分割数  p(n) は公式が複雑である (もっと言うと 整数を m 個に分割する  p_{m}(n) は更に複雑である) 。オイラーの五角数とかが出てくる。
自然数  n n = k(3k \pm 1)/2 自然数  k を使ってあらわすことができれば  q(n)=(-1)^k とし, あらわせなければ  q(n)=0 q(n) を定義すると、

(1 + \sum_{n=1}^{\infty}q(n)x^n)(1+ \sum_{n=1}^{\infty}p(n)x^n)=1

という形式的冪級数による恒等式が成立する。//

証明とかはまた。もっとも、すでにやったスミス標準形を求めて基底を変換するところが本質なんだけど。