雑記 (3)

前々回からやっていることと基本はまったく同じことなのだが、再び理想気体に戻って、 分子が、  k 個あるセルの内、  i 番目のものに存在する確率を  p_i とすれば、エントロピー S は、

  S = - k_{B}\sum_{i = 1}^{k} p_i\log { p_i}

である。ここで温度  T が一定のときの確率分布を求めたいのだが、その時は体積が一定だとすると、ヘルムホルツの自由エネルギー  F=U-TS を最小にすればよい。

拘束条件としては、確率なので、

 \sum_{i = 1}^{k}p_{i} = 1

を満たさないといけない。また、  i 番目のセルでは、エネルギーが 定常状態で、それを  E_i とし、エネルギーの期待値  U は 一定であると考えられる。すると

 \sum_{i = 1}^{k} E_ip_{i} = U (const)

となる。ラグランジュの未定乗数法を使うために、

 \begin{align} f(p_1, p_2, \cdots, p_n) &= F + \lambda (\sum_{i = 1}^{k} p_{i} - 1)\\ &= U - TS + \lambda (\sum_{i = 1}^{k} p_{i} - 1)\end{align}

とおくと、

 f = \sum_{i = 1}^{k}E_ip_{i} + k_BT\sum_{i = 1}^{k} p_{i}\log{p_i} \\+ \lambda (\sum_{i = 1}^{k} p_{i} - 1)

となり、平衡状態では、

 \begin{align}\frac{\partial f(p_1, p_2, \cdots, p_n) }{\partial p_i} &= E_i +
k_BT(\log{p_i} + 1) +\lambda \\ &=0\end{align}

だから、

 k_BT\log{p_i} = -k_BT -\lambda - E_i

となって

 p_i = C\exp(-\frac{E_i }{k_{B}T})

となる。分配関数と知られる  Z

 Z = \sum_{i = 1}^{k}\exp(-\frac{E_i }{k_BT})

とおくと、確率が 1 であることから、

 C = \frac{1}{Z}

となって、最終的に

 p_i = \frac{1}{Z} \exp( -\frac{E_i }{k_BT})

というボルツマン(カノニカル) 分布が得られる。

ところで、

 \begin{align}F &= \sum_{i = 1}^{k} p_i(E_i + k_BT\log{\frac{1}{Z}} -E_i )\\&= k_BT\log{\frac{1}{Z}}\\ &= -k_BT\log{Z}\ \end{align}

だから、

  \exp(-\frac{F}{k_BT})= \sum_{i = 1}^{k}\exp(-\frac{E_i }{k_BT})

である。