ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

One Boy

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これは、Joanie Sommers の 1960 年のデビュー曲で、もともとはエルヴィス・プレスリーがモデルのミュージカルの挿入歌であった。日本だとキャンディーズや松田聖子も歌っている。松田聖子が歌ったのはちょうど声を潰してしまった時期であり、澤井信一郎監督の『野菊の墓』(1981) が封切られた年でもある。蓮實さんが、雑誌「話の特集」に毎月掲載していた映画時評で

ふと彼女 (松田聖子) が振り向いて、画面のこちらを指しながら、まあ、夕陽がきれいというような台詞を口にするので、ここで夕陽の光景を示したらこの監督は馬鹿だぞ、とむしろ失敗への期待をこめて見続けていると、そこに出現するのはこちらの予想を遥かに超えた見事な夕焼けの画面が、夕陽に向かって合掌する二人を配して示されるので、この瞬間からこちらは新人監督澤井信一郎への快い敗北の意識へと溺れこみ (以下略)

などと書くものだから大学の授業サボってわざわざ見に行った記憶がある。最近ユリイカでも濱口竜介監督に「あの防潮堤の上から見える暗い海というのは映像として絶対に必要だったのですか。ただ潮騒の音だけがして、それを聞いている彼女 (唐田えり子) のクロースアップだけでもよかったんじゃないかと」と「詰問」しているのがおかしかった。

1960:

Joanie Sommers:

1963:

Ann Margaret:

スリー・グレイセズ:

中尾ミエ:

森山加代子:

梓みちよ:

小野ヒロ子:

島あけみ:

高木美智子:

1964:

山本たみ子:

?:

弘田三枝子:

1977:

キャンディーズ:

1981:

松田聖子:
 

One boy
One special boy
One boy to go with
To talk with and walk with
One boy that’s the way it should be

One boy
One certain boy
One boy to laugh with to joke with
Have coke with
One boy not two or three

One day you’ll find out
This is what life is all about
You’ll need someone who
Is living just for you

One boy
One steady boy
One boy to be with forever and ever
One boy that’s the way it should be
That’s the way it should be
That’s the way it should be

 

野菊の墓

野菊の墓