ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

母音 + 子音

しつこくて申し訳ないが、

1) 子音+母音
2) 母音 +子音

の 1) の方で、英語の無声子音の場合には子音と母音の間隔が長いので、その間に「声」ではなく「息」の音だけの期間があることを説明したつもりである。英語のリスニングで大事なことの一つは、この「息」の部分をノイズだと思って無視してしまわないことではないかと思っている。たとえば、/f/ は「てにをは」を正確にして言うと、「上の歯に下唇 (の内側) を軽くあててフッと息を出す」であるが /p/ と /f/ の音のもっとも大きな違いは、/p/ には破裂音が聞こえるということである。有声の /b/ と /v/ の方が明らかに識別しにくい。これは当たり前で、声帯が震えている以上、息のエネルギーはそちらにかなり取られるためである。こういう言い方はあまりしないかもしれないが、無声子音と有声子音だと無声子音の方が子音の「強形」なのである。しかし、子音の「弱形」の /b/ と /v/ だって 、よく聴けば /b/ の方には破裂する感じが残っている。

もう一度、“Love Me Tender” で破裂する音を注意して聞いてみて欲しい。

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1) で 子音が連続する場合のことに少し触れておくと子音が連続する最大数は 3 である。三つ続く場合、先頭の子音は必ず  /s/ である。その次にとれるのは破裂型の /p/, /t/, /k/ のどれかで、最後の子音は /l/,  /r/, /w/, /j/ の共鳴型のどれかである。例を挙げると

splay, spray, spew
string, stew,
sclerosis, screen, squeak, skew

/s/ の後の破裂型の子音とその後の子音はほとんどセットで、破裂音を利用してほぼ同時に発音されることも説明したつもりである。たとえば、strike は  /s/ を英語らしく「溜めて」発音し、t を破裂させながら r も同時に発音する感じである。

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2) の子音連続は、最大 4 である。例をみる。

prompts
exempts
nymphs
glimpsed
triumphed
warmth (p が m と th の間に自然に挿入される)
bursts
worlds
texts
sixths
instincts
strengths
twelfths
thousandths
jinxed
waltzed
fenced (t が n と c の発音に自然に挿入される)

th と s を連続して発音するのは難しいがアメリカ人だってまともに発音していないと思う。たとえば、

months

は th ではなく t にして、monts でいい。

clothes

なんかの thes は、z で代用すれば良い。

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John Irving の小説を読んでいたら、library の発音が苦手だと書いてあった。br はひとまとめで発音すると確かに次の r が発音しにくい。傾向としては、最初の r の方が曖昧母音でおきかえられることが多い。こんなところの r が聞こえないからといって悩む必要はない。他の例では、

secretary
February

とかである。

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