英語の勘所 (16)

もちろん、それが正しいというつもりは全然ないが、自分の中ではいつの頃からか、前置詞 AT の基本的意味は「一致させること」になっている。”X AT Y” という関係において、 X と Y を一致させること。なにについてかというと、主に次の 5 つがある。
 

1)空間的な一致

2)時間的な一致 

3)方向の一致

4)機能の一致

5)尺度の目盛りとの一致
 

3) だけは注意することが必要で、この場合は主語が「意図をもって」方向を一致させているのだと理解しておくことが重要である。早い話、この場合の AT は「主語の意図が込められた 前置詞 to 」のようなものである。下の例を見るとみな「狙って」のように何らかの意味で主語の意図が込められていることが分かると思う。laugh at なんかは「あざ笑う」という感じである。

 

John looked at Marry.

She frowned at the noisy.

It is unkind to laugh at a person who is in trouble.

Tom shot at a bird.

He kicked at the ball.

He throwed a stone at the dog.

 


4) の例としては、

 

Ben at his desk.


のような机についてそれを使用している場合である。この場合、空間の一致はもちろんだが、机の機能と一致することから、「仕事をしている」といったようなニュアンスをも有する。

 

He is at school.

 
では、 school が無冠詞であることから、より鮮明に school の機能と、He が「一致」している状態であることを示している。この「機能の一致」は、前置詞 ON にはない。たとえば、

 

Ben on his desk

 

といっても、Ben は机の上に座っているとしか受け取れない。

 
1) とか 2) の空間とか時間の一致はいいだろう。「6時にご飯を食べた」といっても、実際には食べた時間には幅がある。しかし、AT を使うことで「6時」という「点」で全体を代表させているのであり、ATは許容度が広いのである。位置についても Google Map の位置の目印のように多少アバウトでもよいのである。逆に言うとATを使うと建物などの対象を点で代表させるのだから、建物などの内部構造などはなくなる。したがって以下のような例は誤用である。

 

× At the rainforests, seventy percent of plants are trees.

 

空間的な許容度の広さで言えば、たとえば、at ではなく in を使って下のような文を書いたとしよう。

 

We have stayed in the hotel for three days.

 

そうすると「3 日間ずっと外に出ないで、ホテルの中に閉じこもっていた」となってしまう。ATの場合は、内と外は関係無くなるのでホテルに泊っていさえすれば外出したとしてもOK である。


クリスマス(12月25日)の前後 2、3日の特定の日を、

 

on Christmas (day)

 

というが、これらの日を含む「クリスマス期間」を総称して、

 

at Christmas

 

という。AT は複数の日を全部「クリスマス」として「一致」させてしまうのだ。

 

at night

at sea  (一面海という状況)

 

の場合は時間や空間が果てがなく、限定されえないものとして捉えられており、そんなものですら AT は無冠詞の名詞 (すなわち有界でもなく、限定もされえないカテゴリーそのものの名称) に「一致」させることができるのだ。