ノリの悪い日記

古今東西の映画、ポピュラー音楽、その他をいまここに交錯させながら随想します。

Blue Skies

『日本ジャズの誕生』という本には、アーヴィング・バーリンについて「驚くべきことに彼は譜面が読めず、また、ピアノも弾けなかった」とある。しかし、下のクリップを見ると、ピアノがまったく弾けなかった訳ではなさそうである。帝政ロシアからの貧しいユダヤ移民の子であったバーリンが作り上げたアメリカ音楽の圧倒的な数のスタンダードは、黄金期のハリウッド映画が多くの異邦人によって作り上げられたという枚挙に暇のない事実と共に、アメリカ合衆国が他国に比べて圧倒的に素晴らしかったのは、自国の最良の文化の形成にあたってさえ、数多く異邦人達がそこに自由に参加することを許してきたという度量の広さのためだということを教えてくれる。もっと具体的に言えば、ロシア生まれのユダヤ系の作曲家が作曲した「ホワイト・クリスマス」をアメリカの文化として当然のこととして受け入れるということである。

 

日本ジャズの誕生

日本ジャズの誕生