テクストの楽しみ

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現代の超=虚構から解放されるためにロラン・バルトはこう言っている。遠い過去の音楽や映画や文学や遠く離れた空間の出来事は、今、自分がいる時間や空間とは違うことが存在しているので、現在とともに聴いたり、見たり、読んだりする意味があるのだ。異なるものを排除することなく共存させること。

 

愛する者と一緒にいて、他のことを考える。そうすると、一番よい考えが浮かぶ。仕事に必要な着想が一番よく得られる。テクストについても同様だ。私が間接的に聞くようなことになれば、テクストは私の中に最高の快楽を生ぜしめる。読んでいて、何度も顔を挙げ、他のことに耳を傾けたい気持ちに私がなればいいのだ。私は必ずしも快楽のテクストに捉えられているわけではない。それは移り気で、複雑で、微妙な、ほとんど落ち着きがないといえる行為かもしれない。思いがけない顔の動き。われわれの聞いていることは何も聞かず、われわれの聞いていないことを聞いている鳥の動きのような

 

過去にもっとも多く販売されたレコードと言われるビング・クロスビーの『ホワイト・クリスマス』は二回録音されている。1942 年のマスターはあまりにも頻繁に使用されたため擦り切れてしまったらしい。

 

 

1947 年に再録音されたマスターが現在もっとも普通に聞かれるものである。

 

 

この曲が初めて歌われた1942年のマーク・サンドリッチ監督による映画、 ”Holiday Inn” は邦題では『スイング・ホテル』で、日本でも DVD が入手可能である。原題が某ホテルチェーンの名前の由来ともなったこの映画を今年のクリスマス映画にしよう。