ドレミファ娘の血は騒ぐ

黒沢清監督の『ドレミファ娘の血は騒ぐ』(1985) をものすごく久しぶりに見返していた。なぜ見返したかというと、この前インドに行ってガンジス川を渡ったとき川を渡る映画をいろいろ思い出していたら、その一本として『神田川淫乱戦争』が出てきたのだけれども、『神田川淫乱戦争』はDVDを持っていないのでこの作品にした。蓮實さんが『監督小津安二郎』を最初に出版したのは 1983 年のことで、その増補決定版の文庫本を帰りの飛行機で読んだことも間接的影響があったかもしれない。周防正行監督の『変態家族 兄貴の嫁さん』(1984) が小津作品の引用に終始していたのは周知の通りだが、この作品でもいきなり冒頭に「12月12日は投票日」と出てきたり「サセレシア」のメロディーが流れているのだ。

 

ゼミを通じて友人が多くいた池袋にある大学や洞口依子は懐かしいが、そんな懐かしさとは無縁に、今見ても新鮮な映画であり、黒沢清はやっぱりうまいなあと随所に見られるショットの冴えに感動した。洞口依子の怒ったシーンなんか今ではもうやらないだろうけど『キャット・ピープル』のように照明だけで演出する若さいっぱいで単純におかしい。

 

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もちろん最新作の『散歩する侵略者』も楽しんで見た。音楽は、『ドレミファ娘』の中で歌われている淡谷のり子の『ルムバ・タンバ』(1939)。