音楽

旅のおわり世界のはじまり

総天然色シネマスコープにアップされる前田敦子 (若尾文子の映画が好きという) が山の頂きで突然歌い出す「愛の賛歌 (Hymne à l'amour)」にこれほどまで泣けるとは!『めまい』のように酔いしれ、『カリフォルニア・ドールズ』のように泣ける作品である。学…

香りも高きケンタッキー

YouTube にジョン・フォードの『香りも高きケンタッキー』(1925) の断片が存在していることに驚く。 1936 年 (11年子) の曲を何曲か。東京ラプソディ: 椰子の実: おしゃれ娘: アイルランドの娘: 花言葉の歌: 下田夜曲 (服部良一編曲) 二人は若い 都々逸: ※ …

思い出の曲

若者が、実際に生まれてもいない 1960 年代をなぜ懐かしむのかを不思議に思う人の方が僕には余程不思議である。自分だって生まれてもいない時代の映画や音楽が好きである。逆にこの後期資本主義の時代に最新の流行を次から次へと追いかけて消費していくスタ…

疵千両

三年あまり前の小津安二郎監督の誕生日でも命日でもある 12 月 12 日の「サワコの朝」に香川京子さんが出演されていたのをたまたまテレビで見て、『近松物語』や『東京物語』の大女優が語る日本語の美しさに聞き惚れたことと、岸洋子さんの歌をリクエストさ…

パーソナル・ソング

数年前のサンダンス映画祭で話題となったドキュメンタリー映画『パーソナル・ソング』(Alive Inside) でも紹介されていたが、認知症の症状の緩和に音楽が用いられている。それがどこまで効果があるのか寡聞にして知らないが、人にとって特定の音楽 (パーソナ…

東京キッド

これはさすがに昔見ているが、斎藤寅次郎監督の『東京キッド』(1950) を見る。この作品はいま見ても大変面白く、当時大ヒットしたのがよくわかるし、13 才の美空ひばりが、すでに卓越した歌手であることもわかる作品だ。二回歌われる仁木他喜雄が編曲した、…

憧れのハワイ航路

斎藤寅次郎監督の『憧れのハワイ航路』(1950) を見る。岡晴夫と美空ひばりの歌が満喫できるなあ、この映画。それと、戦前の小津映画でおなじみの (たとえば、1932 年の『大人の見る繪本 生まれては見たけれど』) 吉川満子が出演しているのを見たときには嬉し…

没後30年

今年は美空ひばりの没後 30 年だったなあ。1937 年生まれの美空ひばりの舞台デビューは1946 年 9 月 (9 歳)、横浜市磯子の映画館「アテネ劇場」とされており、その頃の芸名はまだ美空和枝であった (1947 年に「ひばり」となる)。ディック・ミネの「旅姿三人…

港に赤い灯がともる

海水魚って、どうやって水分補給するんだろうと不図、疑問に思ったが、やっぱり海水をゴクゴク飲んで塩分を体外に排出しているんだ。淡水魚は浸透圧の関係で、逆にエラなどから水が体内に吸収されていくので、積極的に水を飲まない。逆に体内の余分な水を外…

とりとめなく (2)

本当にとりとめなく聞く。日本特派員だったバートン・クレーンの歌を二曲。1931: (バートン・クレーン) 酒が飲みたい: ニッポン娘さん: ※ 東京の娘さんのところは「東京の娘さん、いかがです、銀座ガールつれない、いつでも冷淡」と言っている。名古屋の娘さ…

とりとめなく

これは小国英雄が脚本だけではなく、日活から東宝へ移籍し監督もした、『ロッパ歌の都へ行く』(1939) の断片だと思う。場所は日劇で、司会しているのが「悦ちゃん」なのかなあ (自信なし)。淡谷のり子が『雨のブルース』、上原敏が『親戀道中』、松島詩子が…

ワイントラウブ シンコペーターズ

憲法の意義を完全に無効にする全権委任法の成立によって独裁体制が合法化され、ヴァイマル共和国が無残にも崩壊し、20 世紀の悪夢となった第三帝国が生まれる三年ばかり前のドイツで、監督ジョセフ・フォン・スタンバーグと新人女優マレーネ・デートリッヒが…

東京オリムピック

やがて敗戦という結果に至る時局により、実際に開催されることはなかったが、「大きなプロパガンダ効果が期待できる」としてアドルフ・ヒトラーが開催した 1936 年のベルリン・オリンピックに続く 1940 年の開催地は、二・二六と阿部定事件が起きた 1936 年…

情欲の悪魔

ドリス・デイ追悼で『情欲の悪魔』(1955) を見る。正直、ルース・エティングはそれほど好きな歌手ではないけれど Rodgers & Hart が作った、10 セントのチケットで男性客のダンスの相手を一晩中する踊り子を描いた切ない "Ten Cents a Dance" は好きで、この…

ドリス・デイ追悼のために

アルフレッド・ヒッチコック監督の英国時代の作品 『暗殺者の家』(The Man Who Knew Too Much, 1934) の自身のリメイクである『知りすぎていた男』(The Man Who Knew Too Much, 1956) の前年に作られた、チャールズ・ヴィダー 監督で、ジェームズ・キャグニ…

石松三十石船道中

大阪と伏見を淀川で結んだ「三十石船」は、広沢虎造の『石松三十石船道中』であまりにも有名であるが、1940 年のマキノ正博監督の傑作 『續清水港』のクリップがある。DVD は残念ながら販売されていないがフィルム・センター他では上映される機会がある。広…

アーカイブ

ゴダールの映画 『イメージの本』には海辺が出てくる。ゴダールの言うアーカイブとは、データベースのことではないと思う。それは海辺に打ち上げられた漂流物のようなものである。それはまず人によって発見されねばならないが、それだけではなく、その断片の…

カンボジアの潮来笠

カンボジアの国民的歌手 シン・シーサモットが録音した『潮来笠』があった。 ※ この曲 、「バタンバンの花」は初めて聴く気がまったくしないけれど、どうしても思い出せない。

上原敏の股旅物

上原敏の股旅物を一部だが聴く。『鴛鴦道中』なんて、マキノ雅弘の映画の主題歌じゃないか。あまりにも歌が上手いので、突然、マキノの『弥太郎笠』が見たくなって、萬屋錦之助の方にするか、鶴田浩二 (相手役の二十歳ぐらいの岸惠子が可愛い) の方にするか…

娘船頭さん

前回の記事の美空ひばりの歌の中に、『娘船頭さん』があって、それは正確には「潮来もの」であるが「マドロスもの」源流であると思って一緒にあげておいた。1955: 娘船頭さん (美空ひばり): 歌もよいが、このクリップの映像は非常に素晴らしいモノクロ画面だ…

昭和の港町

淡谷のり子の『別れのブルース』(1937) を思い出すまでもなく、昭和の唄を港町の存在抜きで語ることは、平成を原発事故抜きで語ることと同じように単なる抽象に過ぎないような気がする。※ なお戦前のマドロス歌謡を代表するのは次の三曲といわれることがある…

新橋 喜代三

山中貞雄監督が日活京都撮影所で撮った大傑作『丹下左膳餘話 百萬兩の壺』(1935) で櫛巻お藤を演じた新橋喜代三が、1934〜5 年に録音した音源が傑作集として下にある。喜代三が劇中で唄っている、山中貞雄作詞の『櫛巻お藤の唄』も部分的だが収録されている…

天涯歌女

周セン (周璇) は、李香蘭、原節子と同じ 1920 年生まれの同い年である。以前の英語と日本語の Wikipedia には、周センは 1918 年生まれとあったが、わからないながらも中国語のサイトを複数確認したら 1920 年生まれとあるし、初期の幼さの残る歌声を聞いて…

コンピレーション (2)

もう一セット作ってみた。

思い出したこと

ゴダールの映画を見ると、どうしてもゴダールの映画を一番見ていた八十年代の記憶が蘇えってこようとする。しばらく経ってから、神代辰巳監督の『少女娼婦 けものみち』 (1980) で何度も歌われていた新井英一の「カラス」を波が圧倒的な力で迫ってくる海辺の…

珠玉の名曲集

いままでブログで紹介した中から、記憶に残る名曲中の名曲を紹介してみる。別に何の衒いなくしみじみ良いなあと素直に思う曲ばかりである。

イメージの本

昨日見たゴダールの最新作『イメージの本』は 5つのパートで構成されているが、その内の列車の主題から構成された部分と作品の最後の部分の末尾には、マックス・オフュルス監督の『快楽』(Le Plaisir, 1952) が引用されている。見終わってからのことだが、…

893 愚連隊

残念ながらリアルタイムで見た訳ではないけど、東映が他社を圧倒していた 60 年代のやくざ映画全盛の頃って本当に面白いなあと回顧しつつ、全編無許可で京都をロケーションしたという、まるでヌーヴェルヴァーグのような味わいのある、たまらなく愛おしい中…

雨乞いの歌

ベンガル地域には、雨季になっても雨が降らないと、雨乞いをするのにカエルにお化粧をしてドレスを着せて結婚式を挙げさせ、それを村人皆んなで祝福するという古くからの伝統がある。オスのカエルにケロケロと求愛鳴きさせて雨を呼んでもらうというところか…

Say It With a Kiss

OSK から SGD に移籍した笠置シヅ子が、この歌をステージで唄ったとある。とても良い歌だと思うんだが、1938 年の録音しか見つからない。歌っている歌手は、マキシン・サリヴァン、ヘレン・フォレスト、ビリー・ホリディの三人だが、マキシン・サリヴァンと…