Embraceable You

1930 年のブロードウェイ・ミュージカル、“Girl Crazy“ で Ginger Rogers が歌った。このミュージカルで彼女は一夜にしてスターダムを駆け上ったと言われている。作詞は アイラ、作曲はジョージによるガーシュイン兄弟によるもの。1930: Red Nichols: 1938: …

雑記 (9)

これも線形代数の復習。 行列の行 vector の階数と列 vector 階数が一致することを示す。その前に準備として、転置行列の関係 という関係を証明する。 【証明】 とする。 の要素 とすると、 // ここからが本題。準同型写像 に対応する行列を とし、像 の次元…

雑記(8)

この記事は、線形代数の復習である。線形写像(準同型写像)の行列表現は、線形空間に基底がとれるからこそ成立しているものであって、考えている基底を別の基底にとれば、一般的に変わる。それにもかかわらず、それはやみくもに何の法則もなしに変わっている…

雑記(7)

少し別の記事を書く。Levi-Civita の記号は、いかにもお洒落なイタリア的記号である。 が、 の偶置換のとき、 が、 の奇置換のとき それ以外は、 として、Levi-Civita の記号を定める。※ 任意の置換は互換の積に分解できるのだった。互換が奇数個のときが奇…

雑記(6)

前の記事の続き。証明の前に、まず、ごく基本的な事実を確認しておく。アーベル群の要素 を何でもいいから考えると、 ( 個) を整数 を使って と書くことは、可逆なペアが必ず作れる(他の言葉遣いとしては、全単射、逆写像が存在するなど) 操作であって、した…

雑記(5)

PID上の有限生成加群(アーベル群)の構造定理を書くのに、有限生成加群は、有限生成 Z加群と同型であるという事実を利用する。そうすると、PID上の有限生成加群 は、次の形と同型である。ここで は 1 より大きい自然数で 各 は を割り切る。というものである…

雑記 (4)

元に戻って、可換環RがPID(単項イデアル整域)であるとき、有限生成のR自由加群 の部分加群 はまた有限生成であることを証明する。※ 有限次元の線形空間の部分空間は有限次元であることは保証されていたが、一般の自由加群では保証されていない。しかし、可換…

雑記(3)

「素イデアル」と「極大イデアル」の定義を行っていなかった。ちょっと戻ってしまうがやっておく。素イデアル:可換環のイデアルが、 (つまり、)であって、 ならば または であるとき「素イデアル」という。 ※ 整数の問題で が素数 で割り切れるならば または…

雑記(2)

有限生成アーベル群の基本定理をやる前に準備として行列のスミス標準形(単因子)を見てみる。これは、線形代数で習う行列の基本変形と同じだが、行列の要素が可換環だというのが違う。定数倍する範囲が、いま考えている環で単元(乗法の逆要素をもつもの)に限…

雑記

線形空間というのは、拡大体であるということが分かったところで、環上の加群について進まないといけないのだが、環が体であるときは、線形空間になるわけである。環 上の左加群 とは、 1) M は加法群(+の演算が与えられた集合で通常はアーベル群とする) 2) …

類推の魔

Stéphane Mallarmé Le démon de l'analogie類推の魔 Avez-vous jamais eu des paroles inconnues chantant sur vos lèvres les lambeaux maudits d’une phrase absurde ?馴染みのない言葉が唇のうえで歌うように響いていたということはないだろうか、意味な…

雑記 (42)

ガロア拡大体 に対応するガロア群が位数 の巡回群のとき、拡大体 は の根, すなわち巾根によって拡大される。ただし、基礎体 には の 乗根 をすべて含むものとする。【証明】証明は有名な「ラグランジュの分解式」を使って行われる。ガロア群(巡回群)の生成…

雑記 (41)

以下の「組成列」の定義には注意が必要である。群 の部分群の列を以下のように集合の包含関係で定める。において, が「 の正規部分群」であるとき、この部分群の列を「正規鎖」という。ここで、 が の真部分群(集合)であってかつ、 と の間に,を満たす「 …

雑記 (40)

ガロア拡大体 の中間体 を考えたとき、中間体がガロア(正規)拡大体であることと、ガロア群の部分群 が正規部分群であることは同値であることを確認する。 【証明】 中間体がガロア拡大体だとする。中間体の要素を動かさない 部分群 を取る。 について、 がガ…

雑記 (39)

ようやくガロア対応まできた。 ガロアの理論の基本定理は、ガロア拡大体の中間体と、体の自己同型写像を要素とし、写像の合成を演算とするガロア群の部分群が対応するいわゆる「ガロア対応」を保証するものである。 ガロア拡大体 の中間体 を考える。ガロア…

雑記 (38)

ガロア拡大体 の拡大次数は、前回示した 上の同型写像の群 の位数と等しいという非常に重要な関係を証明する。つまり、 という関係である。まず、同型写像がお互い異なっていれば、線形代数の線形独立のときと同じような関係が成立するという、「デデキンド…

雑記(37)

それで、体の拡大のさせ方については、ややこしい話があるんだが、そこはどんどん飛ばしてしまうことにする。まず、理解しないといけないのは、ガロア理論が基本適用される拡大体は、最小多項式の根で拡大したときに、最小多項式のすべての共軛な根が拡大し…

雑記 (36)

ここで、少し後戻りするが、「5次以上の対称群の正規部分群は(自明なものを除けば)交代群だけである」を証明しておく。群が自分自身と、{e} 以外の自明でない正規部分群をもたない群を「単純群」というのだった。 のとき、交代群 は単純群である。つまり、単…

雑記 (35)

あまり面白くない証明なのだが、体の次数に関しては以下が成立する。体が のように有限拡大するとき、体次数について以下が成立する。(証明) の基底をそれぞれ とし、体 の任意の要素 は、となるが、の要素 がのとき、 は一次独立から、となり、 も一次独立…

雑記 (34)

「有理数」「実数」「複素数」は、みな「体」を成しているわけだが、「有理数体 」に(すべての)「無理数」を加えれば「実数体 」に、それに更に虚数単位 を添加すれば「複素数体 」 になっている。つまり、集合の関係でみれば、 となっている。このように、…

雑記 (33)

もう、細部の状況は忘れてしまったけれど、の多項式で、 が互いに素(考えている係数の体の範囲で二つの多項式を割る共通の多項式がないということ)であるとき、となる、多項式 が存在するというのは、すごく新鮮に感じたことを覚えている。そうか、多項式も…

雑記(32)

巡回群に関する前回の記事の補足。以下の基本的事実を証明なしに使った。「任意の巡回群の部分群 は常に巡回群である」(証明) 巡回群 の生成元を とする。 (単位元) のときは明らかに成立する。そこで の場合について証明する。部分群 が単位元のみの集合の…

雑記 (31)

が素数であるとき、有限体 から 0 を除いた乗法群を と書く。このとき、乗法群 は、(要素のあるものを生成元とした) 巡回群であることを証明したい。すでにフェルマーの小定理によって、 について、であることはわかっているが、この定理の主張は、 乗したと…

雑記 (30)

先は長いから、昔懐かしい数論の基本的なところを振り返ってばかりいてはいけないので、ガウスの平方剰余の相互則とかはやらない。でも、後はウィルソンの定理ぐらいはやっておこう。 が素数であることとは同値というのがそうである。 まず、 が素数だとする…

雑記 (29)

可換環 の二つのイデアル が「互いに素」であるとは、と定義されている。整数環の単項イデアルで同値に言い換えてみると、としてみれば、のことであり、要するにとなる、整数 が存在すれば最大公約数 が 1 、つまり「互いに素」であるということからの発展で…

雑記 (28)

前回求めた関係は、 が素数のときということであり、容易に多変数でも成り立つことがわかる。特に、から、フェルマーの小定理が得られる。すなわち、つまり、 であれば、である。しかし、こんな風にしなくても、前々回の記事でやったように、 の 0 を除いた…

雑記 (27)

一般には「フロベニウス自己準同型写像」と呼ばれている写像の基礎になっている 標数 の体の基本的な関係を証明する。標数 の体の任意の要素 について、が成立する。(証明)左辺を二項定理で展開したときの 以外の各項は、 となるが、であり、 が素数であるこ…

雑記 (26)

細かいところはちょっと置いておいて、環として整数、体として有理数をイメージすれば、環が体になるためには、乗法に関して 0 以外の集合の要素の逆元(逆要素)がまた集合に含まれていることが必要だっていうことは、すぐにわかると思う。つまり、体では 0 …

雑記 (25)

まず、整数 に含まれる任意のイデアル が、ある整数 が存在して とできる、つまり、 の倍数によって が生成できることが最も重要である。このように、一つの要素によって生成できるイデアルを「単項イデアル(主イデアル)」と呼ぶ。証明は簡単である。(証明) …

雑記 (24)

環というのは、加法と乗法の二種類の演算を持っているので、二つの環 の間の準同型写像 は、 について、 として定義されている。写像が全射だったら、同型写像になるのは群のときと同じである。準同型写像 によって、 の加法の単位要素 に写される の要素全…