雑記 (82)

を標数 の体 上の次元線型空間、をその双対空間とする。を線型空間 上のテンソル代数の両側イデアルで、で生成されるものとする。このとき、。ただし、双対基底 をとるとき、 。(証明) まず、この文章は何を言っているのか読み解くと、次元 K-線型空間 の基…

雑記 (81)

を標数 の可換環とする。このとき、ワイル代数 は、 上、 で生成され、その要素は一意的な表示 をもつ。ただし、に対して、 とする。(証明) 最初のワイル代数 は、 上、 で生成されるというのは、前の記事の説明から明らかである。「交換関係」を使って項の…

雑記 (80)

ワイル代数に入った。可換環 上の 変数多項式環 を と略記し、その 加群としての自己準同型環を と書く。 が、Leibniz 則、 を満たすとき、 を上の「導分(または、微分)」という。いま、 個の自然数の組 を「多重指数」といい、多重指数 に対し、対応する単…

雑記 (79)

前の記事の続き。可換ネーター次数付き環 の生成元 の次数を とする。そうすると、上の有限生成次数付き加群 ( のとき とする)の Hilbert-Poincaré 級数 は、前の記事の定理から、と書くことができる。ここで、 における「極の位数」 (以降、単に と書く)と…

雑記 (78)

可換ネーター次数付き環 上の有限生成次数付き加群 ( のとき とする)の Hilbert-Poincaré 級数 について、ある整係数多項式 が存在し、と書ける。(証明)上、 の生成元 の個数 についての帰納法によって示す。 のとき: であるから、 は有限生成 加群である。 …

雑記 (77)

まだ、準備が少しだけど要るなあ。Hilbert 多項式。 を(左) 加群の準同型写像とするとき、の「余核(cokernel)」 を と定義する。余核は、定義域の核の終域における双対概念である。アーベル群であれば、が正規部分群なので、 は群であるし、 はが全射である…

雑記 (76)

すでに、整数の分割のときに使っているが、Hilbert-Poincaré 級数のために、形式的冪級数を考える。一般に可換環 に対して、無限級数 を級数の収束や発散といった解析的考察には立ち入らず、形式的表現とみたとき、を係数とする形式的冪級数という。形式的冪…

雑記 (75)

次数環 上の加群 で、 について、部分加法群 が定まっていて、となるものを「次数付き加群(graded module)」という。 の要素 を次数 の斉次要素と呼び、次数を と書くのは、環の場合と同じことである。次数環 のイデアル が、 として、 と直和分解するとき、…

雑記 (74)

やっと次数付き環に入った。環 について、各 に対して、部分加法群 が定められていて、 のとき、 を「次数付き環 (graded ring)」という。 を 次斉次部分、その要素 を次数 の斉次要素という。 は常に成立するので、 は のイデアルである。各 は両側 加群で…

雑記(73)

これ、よくわからないなあ。単に列ベクトルに左から正方行列をかけるだけのようにしか思えないので、その線でいこう(多分、間違っている)。 を可除環とするとき、単純アルティン加群上の単純左加群 は、自然な加群 に同型である。※ もう一回定義を確認してお…

雑記 (72)

前の記事の続きである。 を有限群、 を代数閉体とすると、前の Maschke の定理から、群環 は半単純アルティン環である。このとき、次がいえる。となり、単純左 加群の同型類は 個で、その 上の次元 について、が成立する。(証明) は、半単純アルティン環であ…

雑記 (71)

群環について。有限群 と可換環 に対して、を次の形式和を要素とする集合として定義する。 として、演算として、次の加法と乗法を定義する。このとき、を「群環」と呼ぶ。は 上の代数であるとともに、の元を基底とする(群の積に対応する積が定義されている)…

雑記 (70)

左アルティン環 は、左ネーター環である。(証明) の左イデアルが組成列をもつことを示す。はJacobson半単純左アルティン環だから、有限生成であり、組成列を持つ。また、左アルティン環の は冪零イデアルだったから、 となる が存在する。だから、 は、半単…

雑記 (69)

「Artin-Wedderburn の定理」の証明の残りの部分である。(定理)次は同値である。(1) 左 加群 は半単純加群である。 (2) すべての左加群は半単純である。 (3) すべての左 加群は射影加群である。 (4) は半単純左アルティン環である。 (5) は左アルティン環で…

雑記 (68)

「Artin-Wedderburn の定理」の証明の続き。(定理)次は同値である。(1) 左 加群 は半単純加群である。 (2) すべての左加群は半単純である。 (3) すべての左 加群は射影加群である。 (4) は半単純左アルティン環である。 (5) は左アルティン環で、有限個の単…

雑記 (67)

半単純アルティン環についての構造定理である、「Artin-Wedderburn の定理」である。次は同値である。(1) 左 加群 は半単純加群である。 (2) すべての左加群は半単純である。 (3) すべての左 加群は射影加群である。 (4) は半単純左アルティン環である。 (5)…

雑記 (66)

Schurの補題が出てきたが、これは群の表現で必ず出てくるものである。群 の線形空間 への作用として、普通よく定義されるのは、準同型写像 が与えられたとき、それを「表現」ということである。より直感的な言い方をすれば、「表現」とは、群の要素 に、とし…

雑記 (65)

左 加群 について、 の任意の部分加群が直和因子であるとき、 を「半単純(semisimple)」あるいは「完全可約(completely reducible)」 という。半単純加群の部分加群、剰余加群はまた半単純である。 (証明) とする。 半単純加群の定義より、 と書ける。 とし…

雑記(64)

この定義は、注意しないといけないなあ。「冪零元イデアル(nil ideal) 」と「冪零イデアル (nilpotent ideal)」は一般には異なる。左イデアル が冪零イデアルであるとは、ある に対してということである。 は の形の要素をもつイデアルだから、個々の要素が…

雑記 (63)

「中山の補題 (Nakayama's lemma or Krull-Azumaya theorem)」を証明する。 を を満たす、環 のイデアルとする。有限生成左加群とその部分加群 について、 ならば、、特に ならば、 である。(証明) まず、最初に は、 で であることがわかる。そうすると、 …

雑記 (62)

前の記事の続き。(証明) は、 の生成するイデアルであり、それが と等しいということは、 は、単元だということを意味する。したがって、( が である) ( が単元である)を証明すればよい。 であるとする。背理法のために、 は、ある で単元でないと仮定する。…

雑記(61)

環 が と以外の両側イデアルを持たないとき、単純環であるという。でない 加群で、自明でない部分加群を持たないとき、単純 加群(simple module)または既約 加群(irreducible module)という。環 のすべての極大左イデアルの共通分は、もちろんイデアルである…

雑記 (60)

ヒルベルトの基底定理である。可換ネーター環 上の有限生成可換代数はネーター環である。(証明) 上の有限生成可換代数は、多項式環 のある剰余環と同型である(本年1/16記事参照)。上の多項式環 がネーター環であれば、その剰余環もまたそうである(前の記事参…

雑記 (59)

加群 が有限な長さの組成列を持つためには、 がネーターかつアルティン加群であることが必要十分である。(証明) がネーターかつアルティン加群であるとする。そうすると、はネーター加群であり、極大条件を満たすので、となる極大元 が存在する。さらに とな…

雑記 (58)

整数環はアルティン的ではないなんて自明とも思えることを書いていたら、何か一筋の光明が見えた気がするけれども、気のせいかもしれない。「組成列」はガロア理論で出てきたが、詳細は飛ばしてしまったので、少し後戻りになるが、ここでジョルダン・ヘルダ…

雑記 (57)

加群の短完全列について(上図参照)、は、ネーター(アルティン)加群である。 は、ネーター(アルティン)加群である。(証明) 女性の方だけを示す。 が、ネーター加群だと仮定する。から への射は単射であることから、がネーター加群であることは、明らかである…

雑記 (56)

次を昇鎖条件(ascending chain condition)という。加群 の任意の部分加群 による、集合の包含を順序とした増大列、について、ある自然数 が存在して、 となる。//上の昇鎖条件を満たす 加群 をネーター加群 (Noetherian R-module) という。//加群 についての…

雑記 (55)

環 の両側イデアルを とし、 を左 加群とする。ここで、を の形の要素によって生成される の部分 加群とすると、という、左 加群としての自然な同型が得られる。(証明)バランス写像、 に対して、テンソル積の普遍性により を満たすものが唯一存在して、 とな…

雑記 (54)

テンソル積の定義をするのに、線型代数の延長で、加群の扱いにおいても、右加群か左加群かを厳密にしてこなかったが、これからの部分は厳密にしておかないと、ややこしいことになるので、ここでは、「テンソル積」は、右 加群 , 左 加群 の直積集合 から加法…

雑記 (53)

「双対加群」を少し見る。左 加群 に対して、線形空間の双対空間を考えたときと同じように、加群 を「双対加群」と呼ぶ。以下の の(右)作用を定義することによって、 は、右 加群となる。 に対して、 が有限生成な射影加群であるならば、 も有限生成な射影加…